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 858 文芸春秋

 犬も歩けば858 文芸春秋 

文芸春秋7月号の巻頭随筆です。

 「日本刀を守るために」

    彬子女王(あきこ じょおう)立命館大学特別招聘教授

テーマは、今年の初め、奥出雲町の日刀保で行われた「たたら」を見学した感想です。3日3晩、不眠不休の作業ですが、最後の「鉧(けら)出し」をご覧になっています。 

日本刀の材料となる玉鋼はたたら製法でないと作ることができません。一度中断して復活した歴史があります。採算は決して合わないというたたらの操業。関係者の工夫、熱意で継続しています。 

たたらの見学、一度だけしました。いまはたいへん難しく、まぼろしになってきています。狭いスペースなので、多くは入れません。神事でもあること、わかってもららわないと困ります。 

見学の機会は、限られた方への最高のもてなしです。希望者は数年待ちだとか。町にとっても貴重な資源ですが、観光客に案内するわけには参りません。 

このような神事、島根にはほかにもあるのではないでしょうか。たたらを範として、学ぶことがあるように思います。 

    6.13