犬も歩けば874 ブータン
NHKの人気番組「鶴瓶の家族に乾杯」、20日はブータン特集でした。「紙漉きを島根県から学んだ」という方がいて注目しました。
島根県は昭和61年ころから、ブータンと紙漉きの技術交流事業をしてきています。実際に指導したのは、安部信一郎さん(松江市八雲町)、石州和紙の久保田さん(浜田市三隅町)らでした。安部さんは人間国宝・故榮四郎氏の孫で、「出雲民藝紙」の継承者です。
ブータンで、どのように紙漉きが定着しているか興味深いものがあります。島根県や安部さんらがやってきたこと、もっと知られていいと思います。
榮四郎氏は当時の民藝運動のメンバーでした。棟方志功は、安部家に泊まって、白いところがあれば絵を描いていたそうです。八雲町には記念館があって、屏風絵などを展示しています。
また、記念館には和紙製の日用品のコレクションの展示もあります。文具や表具だけでなく、衣類にも使われていました。和紙は水にも強いからです。
和紙の課題は用途開発だろうと思います。記念館は参考になります。現に、(機械漉きですが)ブライダル用衣装に和紙が採用されています。
記念館と違って事前の了解が必要ですが、安部家の母屋は、このうえない「ゲストルーム」です。棟方志功が、木の断面に描いた「紙神」や、使われているふすま絵などは、そこでしか見ることができません。お客は、だれでもとはいかないでしょうが、安部家訪問は歓迎されると思います。 8.22